秋の日のいえづくり

なかなか気持ちのいい秋になってくれません。

でも、いろいろなことが別のステージへ移ろうとしています。
学校も昨日はテストを返却して、来週からは後期の授業「住居デザイン」がはじまります。
学生諸君にも「住宅」について考えてもらうわけですが、
ぼくのほうの「住宅」の基本案も大詰めというところです。

今月は9、10の二日間再び札幌に詰めて建てぬしと3回目のセッション。
学生の「住宅設計」課題は、彼らの眠っている興味や意欲を引き上げて、
豊かな「生活像」の提案に着地させることに主眼が置かれますが、
いかに彼らの思い込みを壊して、発見の喜びに導けるかが勝負どころ。

住み手との打ち合わせを重ねていくと、設計者として「いえづくり」にかかわることが、
生徒にたいするエスキース指導と、妙にだぶってみえてくるから不思議です。
いえをつくるのは、きっと住む人自身なんだよね。

今月末は構造の吉田一成さん、設備のシステムクリエイト中島さんにそれぞれ面談。
実施設計に向けたチームが整ってきています。
「住宅設計」のプラットフォームに、さまざまな協働者が加わって、
ぼく自身の小さな思い込みが、新鮮な発見にかたちをかえていくのが今から楽しみです。


自衛隊と焼き物

これまでのブログをざっと思い起こしてみると、結構日本を西へ北へ
東京を東へ西へ、意外と歩いた夏ですねー、暑い中。

8月も最後になって、東京もやや涼しくなってきたというのに、
まだ歩き足りないのか・・っていう感じで、28日、29日はまだ夏真っ盛りの九州、長崎へ。

長崎は去年に続き二回目ですが、今回は、初日のまちあるき業務を終えると、
二日目は、早朝から市内を発ち、佐世保へ。
同行者の伊東くんに感化され、駅を降りたら港に向かって敬礼(心の中で)!
自衛隊資料館にて、日本の将校たちに思いをはせ敬礼(心の中で)!

つづけて佐賀は焼き物の町、有田へむかう。
自衛隊と焼き物・・。けっこう気持ちの切り替えがたいへん。
平日でほとんど閑散としているものの、
「伝統的建造物群保存地区」の古い町並みが山間の街道にずらっと。

きっと焼き物は遠くに出荷するもので、道を歩く観光客に多くは期待していないのだろうけれど、
魅力的なまちなみなのに、あまり生気があるまちにみえない。ひとが少ないもんなー。

でもお昼によった焼き物屋の二階でランチを食べながら、吹き抜けの下を見下ろすと、
工房で陶器に熱心に絵をつける若い女性がずらり。

やはりものづくりの現場には緊張感と生気があふれてました!


オープンハウスのはしご

つづいて、次の26日、連ちゃん月島二日目。
月島といえば細ーい路地裏、密集した古い長屋たち・・というわけですが、
まさにそんなイメージどおりの月島の長屋と長屋の間に、
頭ひとつ飛び出した小波スレートの外壁が・・。
大学の先輩にあたる建築家、川島茂さんご夫妻設計の鉄骨住宅です。
その内覧会にお邪魔しました。

まあ、とにもかくにもこの悪条件です。
あそこにあんなしゃれた新築が建つなどと、たぶん近所の人は思いもよらなかったでしょうね。

きまじめに考えすぎていたら、必要な部屋どころか明るい生活も十分におくれる家もできそうにない。
でも新しい家には、明るい光と、空に抜ける開放感がありました。
床面積をかせぐために、かなりアックロバティックな空中戦も展開されていて
一歩間違えば足を踏み外してがけからまっさかさま・・かとひやひやする場面もあるけれど、
きっと、ここで幼い子供はたくましく、かしこく生き抜いていくんだろうな。

直方体内部の垂直方向の広がりが徹底的に追求され、
悪条件が、創造的な解を生むという建築の定石が鮮やかに実現されていました。

実はその日は、内覧会のはしご。つづけて荻窪へ。
なんとこんどは、その川島さんの同級生の岩川卓也さんの新作です。
クールで緊張感のある川島さんの住宅から一転、安心感のあるスケール、
漆喰の壁に無垢の木材をふんだんに使った暖かくてほっとする住宅。

ふたつを一日で体験すると、お互いのキャラが引き立つ感がありますねー。
岩川さんだと、あの月島の路地裏をどんなふうに料理するんだろうかな?

社会を愉しくする活動

ずいぶんと更新おこたってたんで、月があけてしまいました。
でも、8月後半のできごとのいくつかを・・とりあえず思い浮かぶのは月島での二日間かな。

というわけで、なぜか最近縁のある月島ですが、
25日は斉藤理さんらが率いる「NPOにっぽんミュージアム」企画の講演会@タマダギャラリーです。

上山信一氏による「まち--ミュージアムの新たな可能性」という演目。
Web2.0ならぬ、Musiumu2.0!ニューバージョンなミュージアムの可能性は地域再生型にあり!!
・・というまさに、「にっぽんミュージアム」の活動コンセプトを後押しする、
なるほど感あふれるお話でした。

そのときもらったチラシをみると、
この「にっぽんミュージアム」、日本全国、まるごとミュージアムにしよう、というかけ声で
各種講座やまちあるき企画など、まちを楽しむための五感を鍛える企画が目白押しなのですが、
なかでも、興味深かったのが次。
<2007年秋ごろには、都内をひとつのミュージアムのように愉しむ催し
「世界で一番愉しい一日」を企画いたします>

一日とはいわず、そんな日が何日も訪れたら、きっとほんとうにたのしい社会になるだろうな。